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配筋について


私は他の設計事務所や建設会社がどのような家を造っているのか色々な現場を見て歩きますが、見ていてよく感じることは基本的な構造のことについて知らない現場監督や設計士がいる気がします。

宮古島のような田舎では構造のことについてあまり知識のない現場監督が下請け(鉄筋屋さんや大工)に現場を任せっぱなしにしたり、現場をちゃんと監理してるのっていう設計士の方もおります。

設計施工している会社の監督に鉄筋の定着長さや重ね継手の事を尋ねると「それってなんですか?」という答えが帰ってきたときは愕然としました。

建築のイロハも知らない者が建築会社に入り見よう見まねで建築を覚えた者が現場監督になるということは田舎ではよくあることです。
しかし、もしその会社で正しい建築の知識を教えられていないとすれば間違ったことを正しいと思い込んでしまうことはある意味仕方のないことかもしれませんが、
このような会社から建物を引き渡される施主は可愛そうです。

いい家をつくるには設計士、建築会社選びが大事ですよ。

建物はペンキやタイルで仕上げてしまえば表面は皆同じように見えるので、誰(どの会社)が造っても変わらないと思われがちですが、あまりにも杜撰な管理が行われている現場が多いので、ここでは隠れてしまう部分について写真を添えながら現場監理の大切さについて書いてみますのでこれから家を造る方々の参考になればと思います。


 基礎その1 (かぶり)

 悪い例



鉄筋の下に見える四角いものはスペーサーブロックとい って4cm×5cm×6cmの大きさがあり、かぶりを確保するため場所によって縦に使ったり横に使ったりするものです。

※かぶりとは鉄筋の腐食を防ぐためコンクリートの表面から鉄筋までの距離を言う。

部位によってかぶり厚さは違いますが、基準では基礎部のかぶりは6cm以上となっています。

この写真では5cmしかなく基準のかぶり厚さが確保されていません。


これを指摘しない設計士がいるなんてちょっと信じられません...。



 良い例




左の写真と上部の写真を見てわかりますでしょうか。

ちゃんとかぶりが6cmになるよう縦に使っています。



拡大した写真だとよくわかると思います。


 基礎その2 (設備配管)

 悪い例




この写真の基礎は布基礎と言いますが、設備配管が基礎に並行に配管されています。
これでは基礎に断面欠損を生じさせますので基礎の強度に大変悪い影響を与えます。

※断面欠損とは部材に生じる欠損をいいます。

設備屋さんは構造の知識があまりありませんのでこういう配管をすることが多々見受けられます。

それを訂正させるのが現場監督の仕事であり最終的には設計士の監理業務です。

このように配管されるとコンクリート打設後は誰も気づくことはありませんので気をつけなければいけません。

施主さんは見える部分には気を使いますが左写真のように隠れてしまう部分の欠陥は建物の耐力に影響を与えますので見えなくなる部分の管理はもっと大切です。





この写真は布基礎に並行に設置された配管が地中梁交差部の中を通っています。

これは基礎、地中梁の両方に断面欠損を生じさせており建物の構造に著しく悪い影響を与えます。



上の写真を図面にすると左図のようになり、布基礎と地中梁に充填されなければならないコンクリートに断面欠損が生じることになります。

これでは構造計算により確かめられた安全性が確保できません。


 地中梁その1 (設備配管)

 悪い例



この写真も”基礎(その2)と一緒ですが設備配管が地中梁内に並行に設置されており断面欠損を生じさせています。

このように建物の構造にとって大事な部位に断面欠損を生じさせることは構造耐力上非常によくありません。

このような現場はよく見られます。






こういった現場は枚挙にいとまがありません。




 地中梁その2 (定着)

 悪い例



梁内に鉄筋を定着する場合は鉄筋が L 字に折れ曲がった位置が下図のように梁幅の1/2を超えなければいけません。


※定着とは鉄筋が引き抜けけ無いようにするため相手側の部材に固定させること。



左側の鉄筋は梁幅の1/2を超えて定着されているのに対し右側の鉄筋は1/2を超えていません。



左図のようにBが梁幅の1/2Bを超えて定着させなければいけません。


 良い例




左写真はちゃんと梁幅の1/2を超えて定着されています。




 地中梁その3 (貫通孔)

 悪い例




排水管などを通すため梁にあける穴のことを貫通孔といい塩ビ管やボイド(紙筒)などを用います。

貫通孔の大きさによっては補強筋が必要です。

左写真のボイドは梁主筋にぴったりくっついており、主筋のかぶりが確保されておらず鉄筋が早く錆びてしまうことになりよくありません。




横に走っている鉄筋を主筋、それをぐるっと巻いている鉄筋をスターラップと言いますが、左の写真も塩ビ管がスターラップにくっついておりかぶりが確保されていません。



この写真も塩ビ管が主筋にくっついた状態です。



主筋が上下に配置されているので2段筋と言いますがこの写真のスリーブは無理やり2段筋の間に入れています。

主筋の位置が保持されない上にかぶりも確保されておらず最悪です。

 良い例




かぶりもきちっと取れています。
スリーブはこのように入れなければいけません。

続きはまた次回に...